■お米が育たない・・・ |
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| 今年の夏は低温と長雨などの影響を受け、「こしいぶき」の出穂(しゅっすい)※1は 平年の約5日遅れとなり、「こしひかり」も8〜12日程度の遅れとなった。 新米がスタートする9月4回の「こしいぶき」と10月1回の「こしひかり」は昨年よりも 注文が殺到し、こしいぶきは例年に比べ4倍近く、コシヒカリは2倍近く にまでなった。 9月に入り、ずっと雨・・・。この不作と、生育遅れでは「お届けの一週間前まで雨が降り続いたら、収穫は無理かもしれない・・・。」と石塚さん(JAささかみ営農指導課長)はその時の産地生産者の心境を語った。 |
![]() JAささかみ営農指導員課長 石塚さん |
■組合員と生産者深い絆。 |
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| 続けて石塚さんには「産地と首都圏コープと組合員さんとは、 25年以上の交流の歴史がある。多くの人的交流をかさね、 信頼と約束をたくさん築き上げてきた。 この作柄ではあるが、組合員さんとの信頼関係を裏切るようなことになるので、 どうしても欠品は出したくない」との思いがあった。 そこで、JAささかみでは、早期収穫大作戦に踏み切ることにした。 自ら生産者であるJAささかみの市村専務をはじめ、 営農課の職員で 大規模生産者をリストアップし、 大室ライスセンター※2及びライスコレクト※3などの 組織生産者などに早期出荷をお願いに廻った。 生産者としては一年間もの間、大切に育てたお米。 「もう少し、収穫を遅らせてお米を太らせ、十分な味がのってからの 収穫にしたい・・」という気持ちでいっぱいだったと思う。 規格の大きさよりも小さい粒は、振るいにかけられ落とされてしまう。 せっかく育てたお米でも規格を満たさないと袋詰されなくなり出荷量が 大幅に下がってしまうのだ。 |
![]() JAささかみ専務 市村さん |
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■深夜にもおよぶ収穫出荷作業 |
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| 9月4回「こしいぶき」は、9月14日頃から収穫を開始。 「この作業もおそらく雨が続いていたらできなかったでしょう・・・。」と石塚さん。 お米は、刈取後、生産者→ライスセンターで検査→ライスセンターで乾燥調整※4→精米工場到着→精米→生協セットセンターといった一連の流れで流通するために、 収穫からお届けまで、少なくとも一週間くらいの日数がかかる。 また次の10月1回の、「こしひかり」も同様の収穫作業があったので、 生産者や職員にとってこの2週間はとても忙しかった。 しかし、いくら急いでいるからといって、刈取後、急激にお米を乾燥させると、 お米の食味や品質が悪くなるため、一気に乾燥をさせることはできない。 この乾燥作業だけでも約12時間、深夜に及んだ。 |
![]() お米検査のようす |
■イモチ病の大発生 |
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| 今年のお米にはもう一つ大きな被害があった。 冷害や長雨の年に多く発生する「イモチ病※5」だ。 葉に多くの病斑が生じると草丈が伸びなくなり、ひどくなると 穂にも拡がり、稲を枯死させてしまう。 雨が多いとイモチ菌が伝染して広まってしまう。 一般的には農薬を使って防除する農家が多いが、 JAささかみでは有機や減農薬・減化学肥料栽培の圃場では、 イモチ病の発生に対して農薬を一切使用しなかった。 こうしたことも収穫量が大きく減ってしまった理由の一つだが、 食に対する安全や地域環境を第一に考えて、 可能な限り農薬使用を減らすことがJAささかみの姿勢である。
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![]() 左がイモチ病、右は正常稲 |
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■品質のよさ |
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| 不幸中の幸いと言えようか、早期出荷も含めて玄米検査では1等米が多く、 昨年よりも品質は良いようだ。 低温とイモチ病の影響で、例年より実の数が少なかったので、 養分が残った米粒に集中したためだといわれる。 また、低温が続いた為、一週間ぐらい生育が遅れた。 『その為、ゆっくりとお米が熟したので、味が十分のっています。 丹精込めて作りました。是非、お召し上がりください。』 |
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| 用語説明 |
| ※1出穂・・・イネの最後の葉である止葉に包まれ育ってきた幼穂(穂の赤ちゃん)が、完全に茎からでてくること |
| ※2大室ライスセンター・・・JAささかみの大室地区にある籾(もみ)乾燥施設。お米の等級や品質検査も行う。 |
| ※3ライスコレクト・・・ライスセンターの名称で米を集めるという意味で生産者11名が約70haを乾燥、もみすり調整を行っているところです。 |
| ※4乾燥調整・・・刈り取った籾(もみ)は水分が23%程度有るのを15%まで乾燥させます。 |
| ※5イモチ病・・・冷害や長雨などの異常気象年に平均気温が20〜25度を好み、雨や霧などの水滴などで伝染する。 「葉イモチ病」から穂が出ると、初めは「穂イモチ病」に進行し、穂を枯らせてしまう怖い病気。 |
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