●安全性への思いは人一倍です。樹を枯らしてでも、反農薬で。
世界で唯一、公害病の名前に地名を使われた水俣。自らの体験と繰り返し開いた勉強会で得た知識をもとに、農薬や化学肥料に頼らない農業を模索し続けてきました。公害の原点といわれる地だからこそ、“食の安全性”に対する思いの強さは、並たいていではありません。
土づくりは乳酸菌発酵肥料が中心で、92年以降、化学肥料はいっさい使用していません。防除に関しては、枯死する樹が相次いだため一部の畑でマシン油を散布した年もありましたが、いまではこれも止めています。3年以上畑を特定し、農薬、化学肥料を使わずに栽培する有機農産物表示ができるのですが、表示に伴う事務作業の煩雑さもあって、有機農産物として登録しているのは、1/3です。「高齢者のなかには、畑の面積なんて計らないままきてしまった人もいますから…。でも、これからは生産者も受け身でなく、農水省のガイドラインというより、私たち自身の基準をきちんとしておかねばならないと思っています」と伊東さん。
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