農薬取締法の解説と問題点・改正農薬取締法について
2003/年2月17日
ジーピーエス事業部 高橋
1 農薬取締法
農薬取締法は,1948年(昭和23年)に制定された。当時は戦後の復興期であり食糧の増産が国を挙げて急務となる一方,物資不足の折から不良農薬が出回って農家に損害をあたえる事例もみられたことから,不正・粗悪な農薬の出回りを防止し,農薬の品質の保持・向上を図るために,本法が制定された。
⇒本来、食品の安全性を確保するための法律ではなかった。
当初の本法は取り締りの対象を農作物の病害虫の防除用として製造販売される薬剤に限定するとともに,適用対象の農薬については,厳格な登録制度と表示制度を採用し、そのほか防除業者に対する監督に関する規定などが定められていた。
その後、時代の要請に応じ改正が行われ、現在に至っている。主な改正点は次のとおりである。
1951年(昭和26年)の改正では,取締りの適正と徹底を図るため,登録票の備え付け,登録制限の規定などが設けられ、さらに虚偽宣伝などの禁止の規定も設けられた。
1963年(昭和38年)には,植物成長調整剤及び農薬を原料または材料として使用する資材を本法の適用の対象としたこと、農薬の使用に伴う水産動植物の被害を防止する観点から、水産動植物に有害な農薬の取り扱いについて規定したことなど、大幅な改正がなされた。
1971年(昭和46年)には,農薬による人畜の被害を防止するため,残留農薬に対する対策の整備強化,登録制度の強化,農薬の使用規制の制度など大幅に改正された。
⇒毒物、劇物としての農薬が管理する必要性が認められた。
さらに,1983年(昭和58年)には,外国の農薬製造業者による農薬登録の直接的取得,一部の防除業者に係る事務権限の農林水産大臣から都道府県知事への委任など、大幅な改正が行われた。
(1)
農薬取締法の概要
1) 目的
第一条
この法律は,農薬の登録についての登録の制度を設け,販売及び使用の規制等を行うことにより,農薬の品質の適正化とその安全かつ適正な使用の確保を図り、もって農業生産の安定と国民の健康の保護に資するとともに,国民の生活環境の保全に寄与することを目的とする。
農薬は農業生産の安定と向上に重要な資材となっており,不正・粗悪な農薬の流通が農家に損害を与え、ひいては農業生産に悪影響を与えることを厳に防がなければならない。
また農薬は、病害虫に対する生理活性の強さとその一定の持続性が必須の要素となっていることから、その使用方法のいかんによっては,国民の健康や生活環境に悪影響を及ぼすとも懸念される。
このような農薬及びその使用に関連して発生する諸問題に対処するため,農薬の安全な使用方法について定める必要がある。
このため、第一条では、この法律が農薬の登録,表示,販売及び使用の規制などにより「農薬の品質の適正化とその安全かつ適正な使用の確保」を図るためのものであり、さらにこの直接的な目的を達成することを通じて,「農業生産の安定と国民の健康の保護に資するとともに国民の生活環境の保全に寄与する」ことを目的としていることを明らかにしている。
2) 定義
第一条の二 この法律において「農薬」とは,農作物 (樹木及び農林産物を含む。以下「農作物等」という。) を害する菌,線虫、だに、ねずみ,その他の動植物又はウイルス(以下「病害虫」と総称する。) の防除に用いられる殺菌剤,殺虫剤,その他の薬剤 (その薬剤を原料又は材料として使用した資材で当該防除に用いられるもののうち政令で定めるものを含む。) 及び農産物等の整理機能の増進又は抑制に用いられる成長促進剤,発芽抑制剤、その他の薬剤をいう。
2 前項の防除の ために利用される天敵は、この法律の適用については、これを農薬とみなす。 (中略)
4 この法律において「製造業者」とは,製造業を営む者をいい、「輸入業者」とは,輸入業を営む者をいい、「販売業者」とは,製造業者及び輸入業者以外の者で農薬の販売の事業を営むものをいい、「防除業者」とは,農薬を使用して行う病害虫の防除または農作物等の生理機能の増進若しくは抑制の事業を営むものをいう。 (以下略)
第一条の二では「農薬」の定義について定めている。この中で用いられている用語の内容は以下のとおりである。
「農作物」:人が栽培している植物の総称を指し、その栽培目的,肥培管理状況は問わない。具体的には,一般の稲、野菜,果樹はもちろんのこと,観賞の目的で栽培している樹木、盆栽、草花,ゴルフ場や公園の芝生,街路樹も含むほか,肥培管理がほとんど行われていない山林樹林もこれに該当する。
また「農林産物」とは農作物から生産されたもので加工されていないものを指し、たとえば玄米、伐採林などであり、それから加工された酒、製材された板は該当しない。
「病害虫」:病害虫の中には、病菌,害虫,ねずみなどのほかにすずめなどの鳥類,ナメクジ,ザリガニ、さらに雑草などが含まれている。しかし,農作物に害を与えない不快害虫,衛生害虫などは含まない。
「その他の薬剤」:除草剤のほかに,害虫を誘引、捕殺する誘引剤,害虫,鳥獣類を寄せ付けない忌避材,各種農薬の効力を増強させるために添加する、などがこれに該当する。
⇒多くの生産者が誘引剤、忌避材、展着剤、天敵などを農薬として「認識」していないケースが多い。そのため、農薬回数や使用表現について使用したのにカウントされていない場合が生じる。また適用作物など安全使用基準について上記農薬は守られない場合が多い。
⇒殺虫、殺菌目的で使用される漢方薬、活性水、栄養剤、その他の資材についての定義が曖昧である。
また「その他の薬剤」に続く( )内の「その薬剤を原料または材料とした資材」についてはこれを政令で指定することによって「農薬」として包括されるものである。農薬をしみこませて農作物に使用する防虫・防菌袋や殺草用マルチフィルムなどがその対象として考えられるが、現在これに該当するものは登録されていない。
「生理機能の増進または抑制に用いられる成長促進剤,発芽抑制剤その他の薬剤」:一般に植物成長調整剤と呼ばれるもので、開花、着色を促進したり,植物の背丈を抑制したり,ブドウを種無し化したりする薬剤などがこれにあてはまる。これらの薬剤は,近年,需要量が激増しており,農家にとっても重要性が増している反面、ごく微量で農作物の生理機能を左右する効力がある。このため,品質の不良や使用量・時期の誤用によっては,効力がなかったり,逆効果が出たりする。
以上の用語によって定義されるのが「農薬」であり防除のために利用される天敵もこの中にはいる。ここでいう天敵とは,農産物に直接間接に有害な生物を捕食,寄生などにより殺すような生物をいい、細菌,線虫、昆虫類などその種類は多岐にわたっている。例えば以前、クワコナカイガラヤドリバチ(クワコナカイガラムシの寄生蜂)について登録があったが,現在は失効している。
ただし、本法は農作物などの病害虫の防除に用いられる農薬についてのみ規制するものであり、農薬と同じ有効成分を含むものでも,ゴキブリ,蚊などの衛生害虫を防除するために,家庭や畜舎の中で用いられる薬剤など、ほかの用途に用いられるものは農薬に該当しない。
また、販売業者とは、製造業者及び輸入業者以外の者で農薬の販売の事業を含む(製造業者または輸入業者からの製品としての農薬の販売を受け,一般需要者に販売する)者をいう。
「販売」とは対価を受けて農薬を譲渡することを言い,卸売,小売のいずれをも含み、無償の譲渡及び自己消費は含まない。
⇒取り締りの対象が製造業者、販売業者のみで、使用者への罰則規定はない。また取締りの対象に無償の譲渡および、自己消費を含まないため、輸入代行、個人調達などが法の抜け道となる。
防除業者とは,農薬を使用して行う病害虫の防除または農作物などの生理機能の増進若しくは抑制の事業を営む者をいう。 仮に他人の求めに応じて実費を徴収して防除行為を行った場合であっても,その者は,防除の事業を営む者に該当することになる。
3) 製造業者及び輸入業者の農薬の登録
第二条第一項 製造業者又は輸入業者は、その製造し若しくは加工し、又は輸入した農薬について、農林水産大臣の登録を受けなければ、これを販売してはならない。(以下略)
第二条第一項は、販売される農薬について登録を行い、あらかじめ品質、効果、安全性、残留性、などを確認することにより、その検査の段階で不良あるいは有害な農薬をチェックすることとしている。そして、もし申請されたものにこの恐れのある場合は、品質の改良または申請書の記載事項の訂正の指示を行い、これらの農薬の出回りの防止を図っている。(第三条)。さらに、登録の内容を記録し、公に表示することによって、違反事項などの取り締りに備えている。
なお、農薬の登録は銘柄ごとに行うこととされており、同一有効成分の農薬であっても、剤型(粉剤、粒剤、水和剤、乳剤などの別)、有効成分の含有量、製造会社などが異なれば、別々に登録を行う必要がある。
⇒同じ成分であっても、剤型(粉剤、粒剤、水和剤、乳剤)が異なれば、登録されていない作物があるので間違えやすいし、非常に農家は分かりにくい
第二条第二項 前項の登録の申請は、次の事項を記載した申請書、農薬の薬効、薬害、毒性及び残留性に関する試験成績を記載した書類並びに農薬の見本を提出して、これをしなければならない。(以下略)
第二条第三項 農林水産大臣は、前項の申請を受けた時は、農薬の検査を行う職員(以下「検査職員」という。)に農薬の見本について検査をさせ、次条第一項の規定による場合を除き、遅滞なく当該農薬を登録し、かつ、次の事項を記載した登録票を交付しなければならない。(以下略)
農薬の登録を申請する最に、提出すべきものは、
@ 登録申請書 ア.氏名、住所 農薬の種類、名称、物理的化学的性状、成分。ウ.適用病害中の範囲、使用方法。エ.人畜または水産動植物に有害な農薬についてはその旨、その他使上の注意事項。 オ.製造場ほか。
A 試験成績書 ア.薬効、薬害。
イ.毒性(人畜、魚介類、有用動物など)。
ウ.残留性(作物、土壌、水中)。
エ.品質(物理化学性、安定性など)。
B 農薬の見本。
などである。
⇒最近の研究によれば、毒性評価の場合、一般毒性評価が主であり特殊毒性に評価(発ガン、生殖、催奇形など)が不十分であるとの指摘がある。
上述の書類などを備えた登録申請があったときには、農薬検査所の職員などの検査職員によって、農薬の見本及び提出された試験成績についての検査を行い、登録を保留する用件に該当しない場合には速やかに登録し、主な登録事項(登録番号、農薬の種類、名称、登録年月日、登録の有効期間、使用方法など)を記載した登録票を交付する。
⇒農薬の登録申請は対象作物ごとであるため、多くの農作物に適用をとるためには多くの手間、時間、コストを要する。そのため、希少野菜、作物については、適用農薬がない場合が多々ある。 作物の栽培要件と農薬の登録が合致していない。
4) 記載事項の訂正または品質改良の指示
第三条 農林水産大臣は、前条第三条の検査の結果、次の各号の一に該当する場合は、同項の規定による登録を保留して、申請者に対し申請書の記載事項を訂正し、又は当該農薬の品質を改良すべきことを指示することができる。(以下略)
登録申請された農薬が一定の基準に抵触する場合には、農林水産大臣はその農薬の登録を保留することができるとされており、その農薬の品質の改良を申請者に対して指示し、この指示に従わないものについては登録申請を却下し、不良農薬が出回ることを防止することとなっている。これらの基準として、以下のような項目が定められている。
@ 申請書の記載に虚偽の事実がある場合。
A 当該農薬の使用によって農作物などに害があるとき。
B 使用に際し、危険防止方法を講じた場合においてもなお、人畜に危険を及ぼすおそれがあるとき。
C その残留性からみて、使用によって農作物などの汚染が生じ、かつ、その農作物などの利用が原因で人畜に被害を生ずるおそれがあるとき。
D その残留性からみて、使用によって農地などの土壌の汚染が生じ、かつ、その汚染により汚染される農作物などの利用が原因で人畜に被害を生ずる恐れがあるとき。
E 一般に使用された場合に、水産動植物の被害が発生し、かつ、その被害が著しいものとなるおそれがあるとき。
F 一般に使用された場合に、公共用水域の汚染が生じ、かつ、その水の利用が原因で人畜に被害を生ずるおそれがあるとき。
G 当該農薬の薬効が著しく劣り、農薬としての使用価値がないとき。
(その他、略)
これらの基準のうち、C作物残留性、D土壌残留性、E水産動植物に対する毒性、F水質汚濁性の4項目については、環境保全と人の健康の保護の観点から定められているものであり、いずれもその具体的基準は環境庁長官が定め告示しており、その概要は次のようになっている。
作物残留性に係る登録保留基準
人が農薬を摂取する重要な経路として、農薬を使用した農作物に残留している農薬によるものが考えられる。このため、農薬の使用により農作物に基準値以上の農薬が残留したり、その農作物を食品して利用することにより人に被害を与えるおそれがある場合は、登録が保留されることとなっている、
すなわち、登録申請書に記載された使用方法に従ってその農薬を使用したとき、その農作物に残留した農薬量が食品衛生法に基づいて定められている「食品、添加物等の規格基準(以下「食品規格」という)に適合しない場合は登録が保留される。また、その農薬及び作物について該当する食品規格が定められていない場合は、別途、環境庁長官が残留量の基準値(以下「環境庁長官が定める基準」という)を定めており、この量を超えて残留する場合も、その登録は保留される。
⇒食品の残留基準(厚生労働省)では全ての農薬について定められていない。むしろ基準があるものはごくわずかである。
土壌残留性に係る登録保留基準
農作物に基準以上の農薬が残留する原因として、その作物に直接使用した農薬によるもののほか、その農地において以前に使用した農薬が土壌中に残留していて、そのために農作物に農薬が残留する場合が考えられる。
そこで、このようなことを防止するため、土壌中半減期が1年以上であるなど、残留性が大きくその農地でその後栽培される作物を汚染することとなるような農薬についても、その登録が保留されることとなっている。
水産動植物に対する毒性に係る登録保留基準
水田で使用された農薬が河川などに流出し、そこに生息する魚介類に被害を与えることがないよう、魚に対する毒性が一定以上に強い農薬の登録は保留されることとされている。
水質汚濁性に係る登録保留基準
農薬による公共用水域に水質の汚濁を防止する観点から、登録申請書に記載された使用方法に従って使用した場合に、水田水中の農薬成分の150日間における平均濃度が、環境基本法に基づいて定められている水質汚濁に係る環境基準において定められた基準値の10倍を超える場合は、登録が保留される。
なお、水質汚濁に係る環境基準が定められていない場合には、別途、環境庁長官が基準値を定めており、この基準値を超えて残留する場合も、その登録は保留される。
これらの基準により、農薬は表示されている使用方法などに従って適正に使用されることで安全性が確保されることとなる。
5) 登録の有効期限
第五条
第二条第一項の登録の有効期間は三年とする。
ひとたび登録された農薬であっても、絶えず品質の改良が行われる一方、科学技術の進歩、資材供給などの情勢の変化により、当該農薬の製造が中止されることも予想される。このため、登録に有効期間を設け、期間が過ぎた場合には再登録を行わなければならないこととし、その期間は3年と定められている。
⇒3年ごとに、製造業者が申請しなければ自動的に失効する。失効した場合、情報が各農家に正確に届かない場合がある。農家が使用したい農薬や問題のない農薬であっても、突然失効となる。
失効となる主なケース
(1)農薬のデータなどにより上記基準、@〜Gの条件を満たしていないと判断された場合。特に、農薬の効果、毒性評価、残留性などによる。
(2)農薬製造業者が再登録をしなかった場合。・新しい農薬が開発された。・農薬が売れなかった・等
6) 申請による適用病害虫の範囲などの変更の登録
第六条の二 第二条第一項の登録を受けた者は、その登録に係わる同条第二項第四号の事項を変更する必要があるときは、農林水産省令で定める事項を記載した申請書、登録票、変更後の薬効、薬害、毒性及び残留性に関する試験成績を記載した書類並びに農薬の見本を農林水産大臣に提出して、変更の登録を申請することができる。
農薬に係わる登録事項のうち、適用病害虫の範囲及び使用方法については、その薬効、薬害、毒性及び残留性の各面から慎重に検査し、薬効があり、かつ、使用に伴い人畜、農作物など、水産動植物などに害を生ずることがない範囲にこれを限定する必要がある。このため、これらの事項に係る変更については単なる変更の届出ではなく、登録を行わなければならない。したがって、本規定による登録は、実質的には新規の登録と変らず、その申請のための手続についても登録の申請の場合と変らない。
7)
製造業者及び輸入業者の農薬の表示
第七条 製造業者又は輸入業者は、その製造し、若しくは加工し、又は輸入した農薬を販売するときは、その容器(容器に入れないで販売する場合にあってはその包装)に次の事項の真実な表示をしなければならない。ただし、輸入業者が、第十五条の二第一項の登録に係る農薬で同条第六項において準用するこの条の規定による表示のあるものを輸入してこれを販売するときは、この限りではない。
(1)
登録番号
(2)
公定規格に適合する農薬にあっては、「公定規格」という文字
(3)
登録に係る農薬の種類、名称、物理的化学的性状並びに有効成分とその他の成分との別にその各成分の種類及び含有量
(4)
内容量
(5) 登録に係わる適用病害虫の範囲及び使用方法
(6)
第十二条の二第一項の作物残留性農薬、第十二条の三第一項の土壌残留性農薬又は第十二条の四第一項の水質汚濁性農薬に該当する農薬にあっては、それぞれ、「作物残留性農薬」、「土壌残留性農薬」又は「水質汚濁性農薬」という文字
(7)
人畜に有毒な農薬については、その旨及び解毒方法
(8)
水産動植物に有毒な農薬については、その旨
(9)
引火し、爆発し、又は皮膚を害する等の危険のある農薬については、その旨
(10)
貯蔵上又は使用上の注意事項
(11)
製造場の名称及び所在地
(12)最終有効年月
すべての登録農薬は、一定の事項についての真実な表示を義務付けられている。この表示制度により、表示された内容物たる農薬自体の品質の保証を図るとともに、その表示を登録内容または登録申請書の内容と一致されることを通じて、不正粗悪な農薬の流通を阻止している。
すなわち、法においては、登録された農薬でなければ販売することができず(登録制度)、また、一定の真実な表示がされていなければ販売することができない(表示制度)こととされている。
また、法第六条の二から第六条の四までの規定により、適用病害虫の範囲及び使用方法を変更する登録が行われた場合においては、製造業者または輸入業者は、農林水産大臣から交付される登録票の記載に従い、その製造し、加工もしくは輸入した農薬の容器または包装に、変更後の適用病害虫及び使用方法を表示しなければ、当該変更の登録に係る農薬の販売をすることができないのはもちろんである。
法第七条の規定による表示は、農薬の容器(容器に入れないで販売する場合にあっては、その包装)に表示事項を印刷し、または表示事項を印刷した票せんをはり付けてしなければならない。だだし、容器に表示事項のすべてを印刷し、または表示事項のすべてを印刷した票せんをはり付けることが困難または不適当なときは、表示事項のうち同条第五号から第十号までに掲げる事項については、これを印刷した票せんを農薬の容器に結び付けることにより当該表示をすることができる(規則第七条)。
⇒安全使用基準違反となる主なケース
@
適用作物以外の使用。
A
適用病害虫以外の使用
B
使用回数、量、使用時期など認めらた使用方法と異なる使用
2、改正農薬取締法について 2003年3月10日施行
1)主な改正のポイント
無登録農薬の製造及び輸入を禁止することとし、個人輸入を含めて、水際の監視の徹底をはかる。
従来、個人が直接輸入したりして使用することは禁止されていなかった、そのため多くの抜け道があったが、規制を強化した。ただし、「無登録農薬の定義が不明確」過去に登録が失効されたものを指すのか(狭義)、登録されていない防除資材、農業資材全てをさすのか不明⇒特定農薬とのかかわり
無登録農薬を農作物等の防除に用いることを法的に禁止する。
安全使用基準のうち、適用作物。散布回数、使用方法などの取り締まりは可能。一方、適用病害虫などでの取り締まりは不可能との見解。ただし、規制、監視措置の対策はない。(残留農薬検査により判断が主流で、全ての作物、生産者を規制の目にかけられない)。
また、飛散に対する措置がとられていない。空中散布などの飛散防止は努力目標で、実質的に飛散があることを認めている。「混植園の問題」もある。
農薬取締法の罰則を「飼料安全法」と同レベルまで引き上げる。特に、法人の販売等に係る義務違反について最高刑1億円以下とする。
農家が、農薬取締り法を熟知していない。だれが、どこが取り締まるのか不明。
◆産地、生産者に問われていること
■法令遵守は当然の義務、なによりも優先する。
希少野菜についても、農薬に頼らない栽培技術を確立する。
■農薬を使用したのかしないのかの管理から、「誰がどの農薬をどのくらい所有しているか」の管理 各生産者で農薬管理台帳の作成と産地での集約 定期的な更新
■産地に農薬管理責任者の選任 栽培管理責任者(生産工程管理責任者) 格付け責任者(確認責任者)
■農薬の適正な保管 保管庫の設置と不要、失効農薬の回収
■農薬、農薬取締り法の勉強会
農薬取締法改正(3月10日施行)についての事業対応について
2003年2月18日
株式会社ジーピーエス 事業部長 高橋宏通
1、主な改正点について
改正農薬取締法が2003年3月10日に施行されます。主な改正点は以下のとおりです。
(1)無登録農薬の製造及び輸入の禁止 無登録農薬の製造及び輸入を禁止することとし、個人輸入を含めて、水際の監視の徹底をはかる。
無登録農薬を農作物等の防除に用いることを法的に禁止する。
(5)法律違反の罰則強化
農薬取締法の罰則を「飼料安全法」と同レベルまで引き上げる。特に、法人の販売等に係る義務違反について最高刑1億円以下とする。
2、改正についての問題点
今回の法律で、農薬ごとに、使用できる作物、散布回数、使用時期、使用量が定められおり、それに違反すると罰則が課せられることになりました。しかしながら、ほとんどの国内の農家に対して、農薬取締法及び、改正法が周知徹底されておらず、また内容も理解されていないのが現状です。また、使用できる作物が限られているため、農薬登録の問題により、農薬取締法どおりでは栽培できない作物が多数存在することを農水省自身もみとめ、罰則適用については一定の猶予期間をおくことになっています。
3、改正農薬取締法についてのジーピーエスの対応。
3月10日施行される「農薬取締り法」について、生産者、産地はほとんど内容を理解していない。
生産者への罰則が強化されることになり、産地に周知徹底を要請している。