生産者の方々をお招きして「農薬取締法学習会」が開催されました! 日時:2004年7月3日(土)午後1時〜4時
場所:パルシステム岩槻センター第一会議室
解説者:ジーピーエス高橋宏通事業部長緊急のご案内>>
【学習会開催の主旨】
先日、パルシステムとは直接かかわりはありませんが、他の産地で農薬取締法違反に関する事件が発生致しましたので今回の学集会を緊急に開催する事となりました。
この農薬取締法違反に関する事件は、「インゲン豆」に使われる農薬を「さやインゲン」に使用した事から、それを販売した農協がこのさやインゲンを回収したという事件です。
この様に作物の適用外農薬の使用は農薬取締法違反にあたります。しかし、生産者にしてみればさやインゲンとインゲン豆の違いがわからず、使用する農薬に関しては非常にわかりにくい法律になっているのが現状です。生産者の方からも,分かりやすく説明してほしいと学習会開催の要望がありました。2003年2月17日農薬取締法の問題点・改正農薬取締法の解説>>
【農薬取締法の注意点】
農薬取締法は1946年に制定されましたが、この時の農薬取締法は生産者を規制する法律ではありません。農薬を作ったり販売したりする側を規制する法律でありました。むしろ生産者は守られる立場であり生産者を規制する法律ではありませんでした。ところがその中で様々な問題が起こってきました。例えば農薬によって人や動物に害を加えてしまったり、水質が悪化するなどの問題です。これにより1971年に農薬は毒性評価されました。
その後、2003年3月10日、農薬取締法が改正>>されましたが、この改正法では、無登録農薬の使用を規制するなど法律違反の罰則を強化し、初めて生産者側にも厳しい罰則が課せられる様改正されました。【農薬】
しかし、農薬に関しては、生産者側も消費者側も何が農薬で有り、そうでないかという事が解りにくのが現状です。例を挙げますと、多くの生産者が誘引剤、忌避剤、展着剤、天敵などを農薬として認識していないケースが多いのですが、その為に農薬回数や使用表現について使用したのにカウントされていない場合が生じます。
又、適用作物など安全使用基準について上記農薬は守られない場合が多いのです。使用する資材が農薬であるのかそうでないのかをきちんと把握する事からスタートしなければなりません。
【農薬検査で残留農薬が検出された場合の留意点】
農薬検査において生産者が記帳したり事前に申請した以外の 残留農薬が検出される場合がありますが、これに関しては次の3つの原因が考えられます。
一、単に生産者が記帳しなかった場合。
ニ、飛散していた場合。
三、以前に使用していた農薬(ドリン剤など)が土中に微量残留していた。
等が挙げられます。
一つ目に関しては、適用農薬であれば、農薬取締法上の問題はありませんが、生協に出す情報公開上の問題がありますので、生産者には正確な記帳をお願いしています。
二つ目の飛散に関しては、適用外農薬が検出されるケースが多く、また、残留が高く出る場合があります。生産者が自分の作物に農薬を使用する場合は農薬取締法基準があるのでそれに基づいて散布しますが、隣接した外部産地が防除(航空防除も含めて)する場合は、飛散すかもしれな い畑の作物の状況は交流されずに散布されてしまいます。飛散してしまう事は法律上罰則がありませんが、農薬取締法では飛散しないように注意するよう警告しています。
三つ目は、30年以上前に使用いた農薬が検出されるケースがあります。土中の残留検査を行い,生産者は自分の畑の状況をチェックする必要があります。
【作物と適用農薬の関係について】
さて、農薬の適用作物についてですが、農薬取締法改正に際し、農水省が農業登録における適用作物をグループごとに分けていますが、これに関しては、一般的に厚生省による食品の分類とずれているため非常に解りにくい状況となっています。例えば間違え易いのが豆類です。豆類は種実と未成熟に分かれており、先に例を挙げましたインゲンの様な事件が発生してしまっています。農薬の登録は商品名で登録されていますが、同じ成分であっても商品名が違うと登録されている農作物が違いますので注意が必要です。
ジーピーエスにおいては、作付け段階で標準栽培基準書を提出いただいて、使えない農薬がないかチェックし、 あれば是正をお知らせしています。
ほとんどの生産者が同法律を熟知していない点を重く見て次の点の強化を生産者にお願いしています。
@産地で、農薬及び農薬取締法の学習会をお願いします。
A現状の商品カードをチェックして、使用基準違反がないかの再確認をお願いします。
B栽培管理記録(農薬使用記録)の徹底と農薬管理台帳の作成をお願いします。
【食品衛生法の改正・ポジティブリスト化に向けて】
日本の残留農薬基準の設定状況に関してですが、現在、国際基準であるコーデックス基準を含め日本で認められている農薬数は約700件ほどです。この内、国内食用農薬登録数は約350件です。この350件の内、食品衛生法による残留農薬基準設定農薬は140件ほどです。従って、残りの210件の農薬については基準値が無いという状況です。
海外でしか認められていない農薬は日本国内では使用することができません。使用すれば罰則を受けます。しかし、これらの農薬が使われた海外の作物が輸入される可能性はあります。しかし、海外の農薬についても19件と28件しか残留基準がないという状況です。
今後この700件の農薬については平成18年5月までに全部基準を決めるそうです。現在基準の無いものについては、一つ目は国際基準であるコーデックスの基準(暫定的な基準の設定について(案)>>で決定します。
二つ目は、農薬取締法に基づく登録保留基準で決定する。
三つ目は、海外で使われている基準などを参考にする場合があるという事です。厳しい法規制のなかで、現段階で一番欠落しているのは、どこで検査をするかという事です。現在、民間の検査機関が増えていますが、国が定めた検査機関はそんなに多くありません。また、検査により農産物や食品が回収さわぎになればパニックが発生する可能性があります。
改正農薬取締法について>>
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Q:生産者
「飛散とはどの程度の範囲が飛散と呼ぶのか?」A:高橋事業部長
「一般的にどの程度であっても(遠くでも近くでも)飛んできたものに関しても飛散となります。又、飛散は農薬取締法上では違反に当たりません。」
Q:生産者
「農薬の登録有効期間は3年という事ですが、例えば3年前の更新をしなかった場合、いつの時点で分るのですか?」A:高橋事業部長
「更新をしなかったというのはすぐには分らないという状況です。失効されたかどうかは、定期的に発表されます。農水の受付期間が決まっていないので、農薬メーカーの書類の準備が出来て申請した日に審査を始め、認可された日から3年間が有効期間です。」
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Q:生産者
「農薬登録失効情報を生産者が常にチェックするというのは容易ではないので、ジーピーエスさんの方で全産地に情報提供して頂きたいのですが・・・」A:高橋事業部長
「私どもでも失効情報を出来るだけ提供するように致しますが、ジーピーエスに全ての情報が入ってくるとは限りません。農薬が失効されても特別な回収措置等が義務 づけられていない農薬は、皆さんが持っておられる農薬の有効期限が有効である限り使用することが出来ます。」
Q:那須(ジーピーエス事業推進グループ長)
「飛散と混植についての説明をお願いします。」A:高橋事業部長
「混植は現状飛散が防ぐことができないので行わない方が良いと思います。柑橘類の混植園は基本的に果樹類・柑橘類という登録がある農薬は使用できます。この種類以外のものを使用すると適用 外の農薬が飛散する可能性があります。」
Q:生産者
「養鶏業者が抗生物質を使って育てた鶏の鶏糞を畑に蒔いたとしたらどういった影響がありますか?」A:高橋事業部長
「農薬取締法上は問題ありませんが、鶏糞の中にかなり高濃度の抗生物質が含まれてしまい、万が一、基準値を超えて食物に残留してしまったという場合は問題があります。しかし、正しく使用していれば鶏糞や堆肥は分解されるので事実上は残留しないかと思います。」
Q:流通業者
「基本的にこちらで出した防除記録等をチェックして頂いてその中で指摘された部分の改善、もしくはチェックした物を提出していけば間違いないと言う事でしょうか?」A:高橋事業部長
「大規模なJAさんの場合は標準の防除記録が出ていても生産者が多いため、問題が発生し易いと思います。生産者の方々へのご指導をお願いします。」
Q:JA担当者
「同じ成分が使われている農薬についての記入方法を検討しているところです。」
A:関(ジーピーエス品質チーム所属)
「成分の数え方についてですが、商品には使える回数が決められています。又、商品名が違っても成分名が同じ物はその成分自体使える回数というのが決まっています。それは、安全使用基準の中で決められていますので、その辺もカウントの中に考慮しないといけないかと思います。」
Q:生産者
「農薬の倍率がそれぞれ違いますがその場合どのようにカウントするのですか?」A:高橋事業部長
「倍率に関係なく蒔いた回数をカウントする形になります。」
Q:生産者
「農薬の記帳の仕方についてですが、誰が見てもわかる記帳の仕方というのをジーピーエスさんの方で統一されるのでしょうか?もしくは、記帳ミスがあっても私達が記録したものが全てという事でしょうか?」A:高橋事業部長
「統一された解り易いフォーマットは準備する予定です。但し、生産者が直接記帳するものとデータベースに残すものは別々に考えた方が良いかと思います。
又、簡単にチェックだけ出来るシステムなども検討しています。しかし、生産者の記入漏れや記入ミスについては、各産地において内部監査システムを作る事をお勧めします。」
関連意見:生産者
「栽培管理表については、3ヶ月に一度必ず提出しています。とにかく毎日鉛筆を持たせる様にしています。農薬の購入については3年程前から農協の購買と農薬を取り締まる承認の方と提携して栽培管理表を独自に作っています。その上で、今一番心配なのは隣接した非生協の方です。」
Q:生産者
「新しい品目に関する農薬の情報を得るのが難しい状況です。どこから収集したら良いのですか?」
A:高橋部長
「 農水省は農薬の登録はいそぎますと言っている。農薬の登録以上に新しい品種が出で来る。農水省には、その点で注意して欲しいこと。新しい情報を速く開示すること。解り易く情報開示をするように要望を出しています。」
*現在、農水省ホームページの『農薬コーナー』には農薬に関する新しい情報が随時掲載されております。そこを参照下さい。農水省農薬コーナー>>
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学習会参加団体一覧>>
ジーピーエス高橋宏通事業部長より学習会のまとめ
「 今回緊急の学習会であった為、来れない方がいました。文章を送りたいと思います。又、新しい情報が入りましたらお知らせします。農業現場に対する規制はますます強化される方向になっております。生産者も正しい法理解がないと 自らの生活や農業をまもることが難しくなってきています。産地全体でコンプライアンス体制を守っていただきたいと思います。」
事業を取りまく法律リンク集>>