「2008年度へ向けて、産直をになう若い後継者からのメッセージ」 

 2007年を振り返って 」  ギルド  若栗

若栗さん 2007年にかぎらず、近年を振り返ってみますと、異常気象傾向による天候のブレというものがますます強くなっているような気がしています。この夏も猛暑により、茨城ではちょうど人参の播種・発芽時期に、大ダメージを受けました。ですが、この冬は順当に寒さが来てくれたようで、ホッと胸をなでおろしているといったようなところでしょうか。

しかし、異常気象こそ、農家の感覚を鍛えるチャンスでもあると思います。播種時期をどう狙っていくかをはじめとする、各作業のタイミングをいかに適期に合わせるかということは永遠のテーマのような気もします。

有機JASにおいても改正を経、また、食品業界の不祥事も次々と明るみに出る中、一方では輸入物への不信感の高まり、そして、有機農業推進法の設立など、有機農産物への注目度・期待度はますます高まりをみせています。しかしながら、消費のすそ野の急激な拡大のひずみとして、歪曲したニーズも出てきてしまっているように感じます。それは、安全で、しかも虫食いがなくきれいな形の有機野菜が食べたいというようなものです。もちろん、見た目もきれいなものを食べたいという気持ちは理解できますが、収穫率が50〜70%と低く、また、化学性の農薬等の使えない有機農法では、スーパーに並んでいる見た目のきれいな製品にはどうしても及びません。しかし味においては、有機質ボカシ肥料、また、旬に狙いを定めた作型にすることで、野菜本来の香り、甘味、臭みまでをも引き出せるのは、有機農法ならではだと思います。

今後、消費の拡大に伴い、農家としても生産技術の向上だけでなく、自分の農法や、自分の作った野菜に関する消費者の方々への説明能力をつけていくことが求められているように思います。そして、有機生産において、見た目もきれいな野菜に作り上げるという行きすぎた方向性を私達は選択せず、有機農法にできることをしっかりと見据え、法令遵守はもちろんのこと、道を踏み外すことのないようにしたいものです。

そういったことを理解していただいたうえで、なお有機農産物という選択をしていただけるよう努力をするとともに、グローバル基準に基づいた有機農業の拡大とひいては自給率アップをささやかに願いつつ、来年もいい年でありますよう祈りたいと思います。